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映画みよっ。

映画のアレコレをつらつら書いていきます

2016年 『スティーブ・ジョブズ』(2/12)

洋画

天才の“人”としての姿を描いた映画スティーブ・ジョブズ

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<ストーリー>1984年、アップル社の新製品発表会本番を40分後に控え、スティーブ・ジョブズマイケル・ファスベンダー)は部下のアンディ(マイケル・スタールバーグ)ともめている。今回ジョブズはどうしてもMacintoshに「ハロー」とあいさつさせたかったが、当の主役は沈黙したままだ。マーケティング担当者のジョアンナ(ケイト・ウィンスレット)は諦めるよう説得するが……。

メガホンを取ったのは『スラムドッグ$ミリオネア』でオスカーを受賞した鬼才ダニー・ボイル監督、そして脚本に『ソーシャル・ネットワーク』でアカデミー脚色賞を受賞したアーロン・ソーキン。この2人がウォルター・アイザックソンのベストセラーを基に、世紀の天才の素顔を映し出した作品。

パソコンやスマホが当たり前になった今の世界はジョブズがいなければ、また違っていたかもしれない。本作は、1984年のMacintosh、88年のNeXT Cube、98年のiMacという3つの新作発表会の舞台裏を通して、天才と呼ばれた彼の姿以上に、人として抱えていた矛盾や葛藤が大きく描かれている。だからといってジョブズのカリスマ性が失われるわけではなくて、この世界を革新してきたのが本当に実在した人であることを強く感じる。

ただ、人々を魅了したプレゼンテーションのシーンはないので、ジョブズの天才的な部分を観たい人には少し物足りなく感じるかもしれない。けれど、ジョブズ本人や関係者へ直接取材して書かれた公式の伝記を基にしているだけに、その成功と挫折が浮き彫りにされている。また、マイケル・ファスベンダーが本物のジョブズに見えてくるほどの入り込みようだった。経営者として信念を貫き通そうとする姿を見せる一方、同僚と言い争ったり、不満をぶつけたりと緊迫した舞台裏から伝説のプレゼンに向かう……。完璧を追求してきた彼が、人としては全く逆の素顔を持っていた──この映画の中には確かにスティーブ・ジョブズが存在している。

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さまざまな顔を見せるジョブズの中でも「父親として」の彼を観ることができる貴重な映画です。ラストの娘とのやりとりがとても素敵でした!